事故車が元どおりになおるまで


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事故車が元どおりになおるまで

文:井上勝彦
え:吉田たつちか

事故車はどのようにしてなおすのだろう?

損傷診断
事故による損傷の影響がどこまで及んでいかをまず調べます。病気の診断と同じで、ヤブ医者と名医の差がでるところです。当社は経験豊富なベテランのフロントマンが正しく診断します。
見積書作成
損傷診断にもとづき、修理作業をより安く・より早く・そしてより正確かつ安全におこなう方法と手順を立案し、それに必要な費用の見積書を作成します。
料金の決定
見積書にもとづき、納期・仕上げ程度・修理範囲・料金・支払い方法などを決定します。保険支払いの場合は当社が保険会社との交渉及び諸手続きを代行しますから安心しておまかせください。
部品取り外し
外装部品・内装部品・機能部品など、交換が必要な部品や他の作業をするのに邪魔になる部品をまず取り外します。
修正機へのセットアップ
安全を確保するために骨格部位を正確に復元する必要があります。家でいえば土台と柱をしっかりさせるようなものです。当社は最新式のフレーム修正機を使用しています。これに車体を固定することからはじめます。病気手術における手術台と手術設備に相当します。
骨格復元
車体の構造・強度などを勘案して最適な方法で骨格部の寸法・精度を復元します。修正可能な部位は復元修理し、交換が必要な部位は交換します。交換か修理かの判断は専門家におまかせくだい。部品・部位により、また損害程度により修正方法がよいか交換方法がよいか異なります。安易な交換はかえって車の寿命を縮めたり安全性をそこなう場合もあります。手術の際、むやみに切除するとかえって寿命を縮める結果になるのと似ています。大がかりな骨格修正では引き作業・押し作業・計測作業・切断作業・溶接作業・補強作業・部品交換作業・シーリング作業・防錆作業・平面出し作業など、多くの専門技術が必要となります。
パネル修正
環境保護・資源の有効利用の観点からも修正可能な部品については極力修正をするのが専門工場の役目です。外板パネル、バンパーなどを安易に交換しない工場なら全体の技術力も高い工場ですから安心できます。
機能部品の修正及び交換
最近の車は乗員の安全を確保するためにエアーバックをはじめ種々の新装備がなされています。これらは人命保護と引き換えに衝突時に損壊します。これを完璧に修復するには専門の知識と技術そして設備が必要です。また、走行性能の高度化にともない足周り関係の修理も安全確保に重要です。総合力を有する車体整備専門工場なら安心です。
塗装
 事故車の復元修理のもう一つの特長は塗装が必要なことです。最近の自動車には高級塗装が施されています。そのため色を合わせる作業や下処理作業などが難しくなっています。また上塗りには艶があり、しかも固い塗料が採用されているので高度の塗装技術が必要になっています。では、塗装工程を簡単に説明しておきます。
調色
いくつかの塗色を混ぜ合わせて元の色と全く同じ色を作ります。調色データにもとづきコンピュータや精密計量ハカリを使用しますが、最後はベテラン技術者の経験と勘がたよりです。
下処理
化粧と同じで下処理が大切です。これを手抜きすると後ではがれたり、色が変わったり錆びたり、ふくれたりすることがあります。目に見えないところですが手抜きをしない信用ある専門工場を選ぶことが大切です。
スプレイ
 ベテランのスプレイマンが元の色に合わせながら慎重にスプレイします。ごみやホコリの付着も防止しながらの作業がおこなわれます。
乾燥
乾燥のしかたにも多くのノウハウがあります。適切な乾燥が上手い米やたばこを作るように乾燥の善し悪しで塗膜の性能が左右されます。
磨き
塗装工場での磨き作業にはワックス分のある磨き剤は使えません。塗装作業に悪影響を与えるからです。したがって特殊な磨き剤を使って慎重に磨きあげます。これの善し悪しで塗装全体の仕上がり感に差ができます。
艤装
最後に塗装部品、モール類、ガラスなどを再び装着します。この作業は美観の復元はもとより風切り音、雨漏りなどが発生しないように丁寧に行われます。
完成検査
内外装品の清掃、雨漏りテスト・ライトテスト・アライメントテスト・ロードテストなど必要な完成検査を経てお客様に引きわたされます。専門工場で正しく復元修理された車なら、事故前の車と同じか、部分的にはそれ以上の健康体に戻ります。なお、事故修理歴を隠すために、適性な修理方法(たとえばスポット溶接の点数をあえて新車と同じ数だけしかうたないなど/カーメーカーの指示では1~2割り増しでうつ必要があります)をとらない工場があるのは残念です。これの解消のためにはユーザーの皆様にも事故車の正しい修理方法を理解していただきたいと思います。

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